玉掛けワイヤロープの張力計算(吊り角度と張力係数)
1本にかかる張力 = 荷の質量 ÷ 掛け本数 × 張力係数 で求めます。吊り角度が大きいほど張力は増え、120度では真下に吊るときの2倍になります。
分類安全・衛生根拠玉掛け作業の安全に係るガイドライン更新2026-10-14
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張力係数 1/cos(θ/2)—
1本の張力(力)—
モード係数—
使用荷重との比較—
入力例
質量4tの荷を2本2点つり・吊り角度60度で吊る場合、張力係数は1.155なので、1本にかかる張力は 4 ÷ 2 × 1.155 ≒ 2.31t(約22.6kN)です。モード係数は 2 × cos30° ≒ 1.73 で、使用荷重 2.4t のロープなら 1本あたり 2.31t ≦ 2.4t で使えます。
計算式
1本にかかる張力 T[t] = W ÷ n × 張力係数
張力係数 = 1 ÷ cos(θ/2)
モード係数 = n × cos(θ/2) → 吊れる質量 = ロープ1本の使用荷重 × モード係数
W: 荷の質量[t] n: 掛け本数(負担本数) θ: 吊り角度[度]
力に直すと T[kN] = T[t] × 9.80665
吊り角度と張力係数
| 吊り角度 | 0° | 30° | 60° | 90° | 120° |
|---|---|---|---|---|---|
| 張力係数 | 1.00 | 1.04 | 1.16 | 1.41 | 2.00 |
| 2本つりのモード係数 | 2.0 | 1.93 | 1.73 | 1.41 | 1.0 |
注意
- 吊り角度は原則90度以内、2本4点半掛けつりは原則60度以内(玉掛け作業の安全に係るガイドライン)。
- 目通しつりで深しぼりする場合は、通常の2〜3倍の張力がかかるものとして玉掛用具を選ぶよう同ガイドラインで示されています。この計算には含まれていません。
- 荷の重心が中央にない場合、各ロープの張力は均等になりません。
よくある質問
吊り角度はどこの角度ですか?
フックから下がる2本のロープが作る開きの角度です。ロープ1本と鉛直線との角度はその半分になります。
張力係数とモード係数の違いは?
張力係数は「真下に吊ったときの何倍の張力がロープ1本にかかるか」で 1 ÷ cos(吊り角度/2) です。モード係数は「ロープ1本の使用荷重の何倍の荷まで吊れるか」で 掛け本数 × cos(吊り角度/2) です。張力係数で張力を出すか、モード係数で吊れる質量を出すかの違いで、考え方は同じです。
4本つりは4本で割ってよいですか?
4本つりは荷の形や玉掛けの長さの差で、実際には3本程度に荷重が偏ることがあります。安全側に見るときは「3本で負担」を選んでください。試験問題では本数どおりに割る出題が一般的です。
吊り角度の上限は?
玉掛け作業の安全に係るガイドラインでは、吊り角度は原則90度以内、2本4点半掛けつりは原則60度以内とされています。
根拠・出典
- 玉掛け作業の安全に係るガイドライン(平成12年2月24日 基発第96号 労働省労働基準局長通達)
- 張力係数 1/cos(θ/2)・モード係数 n×cos(θ/2) は力のつり合いから(ワイヤロープ・スリングのモード係数の考え方は JIS B 8817)
本ページは規程・指針の本文を転載せず、計算式と考え方を要約しています。設計・申請には必ず原文と所轄(水道事業体・下水道管理者・電気事業者など)の基準で確認してください。
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最終更新: 2026-10-14